危険な彼女

小刻みに震える桜の肩をそっとさすった。


よくわからないが、とりあえず落ち着かせなきゃいけないと思ったら自然とそうしていた。




「………わ…い…」




そのとき、桜がか細い声で何かを言った。


しかし、聞き取れない。




「え…?


…ごめん、もう一回言って?」



もう一度優しく肩をさすりながら桜に聞いた。




「…こ…わ…い………」




――!




今度はたしかに聞き取れた。


たしかに今、桜は"こわい"と言った。

聞き間違いではない。





「桜………恐いのか?」




そう聞くと、わずかにうなずく。


それを見た俺は愕然とした。