危険な彼女

ガタンッ!!!!




手始め、とばかりにいきなり何かが倒れる音がした。


反射的に俺はビクッと体を震わせる。





「びっくりしたぁ…

やっぱりこういうのって心臓に悪いよな………



………って、桜?」




振り向き、ライトを照らすがそこには誰もいなかった。

あるのは背中に何かがくっついている感覚だけ。


俺は恐る恐るその感覚の原因を探った。


するとそこには………





「………お前、何やってんだ?」



俺の背中にぴたりとくっついている桜がいた。



「何でくっついて………え?」




ここで異変に気づく。

よく見ると、微妙に桜は震えていた。


しかも、ライトで照らされた表情は真っ青だった。




「ど、どうした?
気分でも悪いのか?」




しかし、桜は何も答えない。


いや、答えられない、と言った方がいいかもしれない。