危険な彼女

「はい、こちらが入口となっていまーす♪」




受け付けのお姉さんはお化け屋敷のイメージとは合わないハイテンションな人だった。


多分、この人がリラックス役なんだと思う。

受け付けで安心させといて中ではびっくり、みたいなね。




「中は大変暗くなっておりますのでこちらのライトをお使いくださーい♪」




そう言われてライトを手渡される。





………一つだけ。




「あの………二人なんですが?」



「申し訳ございません…

ライトは数が少ないため、一組に一つとなっておりまして…」



「そ、そうですか………」




少し困るけど…仕方ない。


二人だし、一つあれば何とかなるだろう、そう思い、俺は桜を連れて入口に向かった。





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「うわ………
暗いなぁ………」




暗いとは聞いていたが、中は予想以上に暗かった。


おぼろに見える置物がお化け屋敷の不気味さを引き立て、恐怖をそそる。




「ま、とりあえずライトつけるか………


桜、俺が先歩くからついてきて」



「う、うん………」