危険な彼女

店を出た俺と桜は、とりあえず行き先を決めるために遊園地の地図に見ることにした。




「え〜と、現在地がここだから………



1番近いのはお化け屋敷か…」




――普通、女の子ってこうゆうの苦手だよな…



…いや、待て待て。

お化けすらもびびる鬼だぞ、こいつは。


なら、気にすることはないな、うん。





「決まった?」




長い髪をそっと上げながら桜が地図を覗き込んできた。

距離が近すぎてドキッとしたが、
何とか冷静を保ちながら俺は答える。




「ああ、お化け屋敷が近いからそこ行こうぜ」



「お、お化け屋敷…?」




一瞬にして桜の表情が青ざめた。


今まで見たことのない表情に
俺は驚きを隠せなかった。



「ど、どうした!?
なんかあるのか!!?
トラウマ!?
それともここのお化け屋敷は危な
いって噂でもあるのか!!?」




知らず知らずのうちに声が大きくなる。


桜が青ざめるなんてありえないことなのだ。

それが起こったとゆうことは余程
のことがあるに違いない。




「………何でもないわ。
早く行くわよ」



「いや、やめておこう!!
メリーゴーランドのほうがまだいい!!!」



「あんたが行くって言ったんでしょ!?
早く来なさい!!!」





嫌がる俺を引きずり、桜はずかずかとお化け屋敷に向かった。