危険な彼女

「んじゃ、そろそろ行こか〜」




「そうね、全員揃ったことだし。

奈津、私のバッグ持って」





桜はそう言うと、明らかに
ブランド物のハンドバッグを
俺に投げつけてきた。


何となく予想はしていたので
すんなりと俺は受け入れる。


そのとき、視界にかわいらしい
服に包まれた亜紀が映った。

手にはピンクのハンドバッグ…





「亜紀のも持とうか?」




「え?
あ、そんな、悪いよ…」





――………なんといい子だろう


とゆうより、これが普通なんだよな………





「いいっていいって。
一個も二個も変わんねぇしな」




「あ、え、えと………
………ありがと」




「どういたしまして」






――うん、亜紀のを持つのは全然嫌な気がしない。


それに比べ………





俺はちらっと桜に視線を移した。