危険な彼女

そして案の定………





「遅いッ!!!
私よりも後に来るなんてどうゆうつもりっ!!?」




「いや、あのな…
チャリがパンクしてて、走ってきたら、信号待ちしているおばあちゃんがいたから優しくエスコートして、そしたらお礼にお茶でもどうですか?と誘われて、それで仕方なくお茶を………」





30分あったにも関わらず、
奈津にはこれが限界だった。

所詮、彼の脳内では桜をまるめこむなんて無理なのだ。


もし、桜をまるめこめる人がいたら今すぐにでもきてほしい。





「で、遅れたうえにあからさまな嘘で逃れようってわけ?」




「いや、まだあるぞ。
そのあと、今度はおじいんぎゃ!!!」




奈津の言葉は無情にも桜の回し蹴りによって強制終了させられた。


かなり痛かったらしく
奈津はその場でよろめく…





――こ、これで女の蹴りなんだからびっくりだっての………





「ってかよぉ…
亜紀も春もまだ来てねぇじゃん。

あの二人にも蹴りいれるのか?」




「そんなわけないでしょ。

二人の分もあんたが蹴られるのよ」





――ああ、なるほど。






……………え?




気付いた時には奈津は吹っ飛んでいた。