危険な彼女

「ハア…ハア………」




奈津は全力で走っていた。

何故かというと、
自転車がパンク中だったからだ。
そのことを忘れていたのだから
さあ大変。


駅までは自転車で20分…
それを徒歩となると30分、もしくはそれ以上………

ちなみに桜は意外にも遅刻しない性格なのだ。

彼女は常に30分前行動。




…はい、ピンチです。






奈津は脳内で必死に言い訳を考えていた。


お姫様(鬼)を待たせるわけにはいかないのです。

1秒待たせた時点で閻魔様に
あいさつすることになるのです。





「ハア…ハア………
何で…こんなことに………」





一時間前に着く予定が30分ギリギリ………



あわよくばと思うが、多分無理だろう。




世の中は思い通りにいかないようにできているのだから。