危険な彼女

――………?


なんのことだ?




―『桜ちゃんとなっちゃんは何もないよね?』―



いや、何があるっていうんだ?

しいて言うなら主従関係か?





奈津はない頭を再び目一杯使って考えた。
しかし、もちろんのごとく思い当たるふしはない…


結局わからなかった奈津は亜紀に答えを求めようと問いかけた。





「えっと………
何もないって………何が?」




『え?
あ、それは…その………』




「あいつとあるのは主従関係ぐらいだと思うんだけど………」




『ほ、ほんとにそれだけ………?』




「………?

それ以外に何があるんだ?」





――………待てよ………

これ、桜にも聞かれた気が………



………………



………………





………あ、流行ってんだな。
『ほんとにそれだけ?』って。

うん、きっとそうだ。
『どんだけ〜』の応用だな、うん




結局奈津はただの馬鹿であった。








「ま、そういうことだから…
また後でな」




『う、うん…また後で………』






その声を確認し、奈津は電話を切った。