危険な彼女

俺は亜紀の言葉に気づき、
再び携帯に耳を傾けた。




「ん、どうかしたのか?
何かわかんないことあった?」




『あ、あの………』





そして、一分くらい亜紀は
『あの…』とか『その…』とかを
繰り返し続けた。


辛抱強く粘っていた奈津だったが
さすがにこれ以上は電話代がピンチである。





「何もないんだったら切るぞ〜?」




『あ、ごめんね………

………その…さ、桜ちゃんは…』




「………桜?
桜がどうかしたのか?」




俺がそう聞くと、亜紀はもじもじとした口調でつぶやいた。





『桜ちゃんとなっちゃんは………





………何もないよね?』