死のうと思いながらベンチに座ってたの。

そしたら彼が声をかけてくれて。

話を聞いて、家に連れて行ってくれた。



それから、一緒に暮らした。

彼の友だちはみんな

『また、ブス専の悪い癖が始まった』って。
『今回はひどすぎる』だって。

私はそれでも良かった。

彼が優しく笑ってたから…優しかったから…」

 
少女の笑顔は再び崩れて泣き顔になる。

その顔の右半分を、赤い痣が覆っていた。

  *   *   *