その頃私は、自分の気持ちがわからない時があった。 事務所や店のような、あまり広くない空間で男の人と二人きりになると、落ち着かないのだ。 たとえその男の人が、義父や義兄のような気の置けない人であっても。 更には照哉さんでさえも、「男の人」の例外ではなかった。