エミちゃんに会った日の夜遅く、今度は私が照哉さんの部屋へ行った。



「店長……」







それだけ言ったとたん、私の体はガタガタと震え始めた。

言葉を続けようにも、声が出ない。

震えを抑えようと、両腕を抱え込んだが、震えは増すばかりだった。

歯がカチカチと鳴った。



「どうした?」

照哉さんが心配そうに寄ってきて、抱きしめてくれた。

そのまま、長い時間が過ぎた気がする。


照哉さんがゆっくりと私の唇にキスをした。

(温かい……)

その途端、涙が出た。


「どうした?」

照哉さんはまた、心配そうに聞いた。

私はやっとのことで聞いた。




「私で、いいんですか」