「お姉さん、彼氏、いるの?」

少女は膝の上の封筒を撫でながら、そう聞いた。
それから、クスリと笑った。

「ゴメンね、彼氏、じゃなくて、旦那さんだよね。

赤ちゃん生まれるんでしょ?

いいな、結婚。

旦那さんがいて、赤ちゃんができて
…お姉さん、幸せでしょ。

私には 夢の夢の夢の…


ずうっと向こうの夢だなぁ。


プロポーズってどんな感じなんだろう。
考えただけでドキドキしちゃうよ」



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