店長が言ったとおり、エミちゃんはしょっちゅう店に現れた。

たまには、お父さんのお使いで書類を持ってくることがある。
けれども大概は、何の用事もなくやってきた。

買い物すらしない。

来るといつも、店長に甘える。



   「照哉さぁん」



私はその声、そのトーンを聞くたびに苛立った。

(デートなら他所でどうぞ!)

心の中でいつもそう言っていた。