一通りの身の上話が終わると、話題は幼稚園のことと、趣味のケーキ作りに移った。

ユリちゃんはその二つを、とても嬉しそうに話した。

時には「大変なのよ~」と言いながらも、決して愚痴にならない彼女の話を、私も楽しく聞いた。


仕事を終えたときのメイク直し用に、と言って、手鏡。

髪が伸びちゃって…、と言って、シュシュ。

折り紙を入れておくのに良さそう、と言って、メイズの小さな籠。

週末には、子供たちの写真を整理したいから、と言って、ミニアルバム。


ユリちゃんはそんな風にして、来るたびに数百円から千円くらいの買い物を続けてくれた。





     そしてある日。