「ねぇ、聞いた?」
普段噂やゴシップで騒ぎ立てる女子を迷惑そうにしている男子も友達同士で騒いでいた。
その事を耳にするのも、この声のヴォリュームなら誰だってわかる。
なんで、こんな騒ぎになってるのかくらい、嫌でも知ってしまう。
「あ、斉藤さん!!」
ひとりの女子があたしに気づき声をかけてきた。
一瞬数人の女子に睨まれた気がしたが、次の言葉のせいでかまってられなかった。
「斉藤さん、ユースケ先輩大丈夫なの!?」
あたしのせいで不良になったこと?
あたしが口を開けずにいると、さっき睨んできたグループの中心になっている人物があたしのかわりに口を開いた。
次の瞬間あたしは固まった。
「ユースケ、エクスタシーやってたって本当なの?」