「あれ?
おなかいっぱいだったんじゃないの?」


成哉に突っ込まれたけど、そんなのは軽くかわした。


「スイーツは別腹なの」


「そっか、でも俺はいいよ。
明日にでも香菜さん食べて」


成哉は自分のケーキを私の前に押し出した。


「え、食べないの?」


聞くと、成哉は笑って頷いた。


「じゃ、遠慮なく。
いただきます!」


私は成哉の分は明日食べることにして、自分の分にフォークを刺した。


大きな苺を丸ごと1つ口に入れる。


甘酸っぱい果汁がクリームと混ざり合ってとろけそうになる。


「んー、おいしい!」


満足して思わず笑顔でそうもらすと、成哉が私の顔を見てフッと笑った。


「ん?」


首をひねると、


「うまそう」


成哉は呟いた。