大人の女と男の関係

成哉に連れられて行ったのは、「マーヤ」より少し規模の大きいダイニングバーだった。


「マーヤ」がシンプルモダンでシックな内装なのに比べ、そこはアーリーアメリカン風の店だった。


オーダーを済ませたところで、テーブル席に差し向かいに座った成哉をよくよく観察した。


今日はブルーのダンガリーシャツと紺の綿パン。


きれいめカジュアルが多いのは塾講師のドレスコードでもあるのだろうか。


黒髪はこの前会ったときより少し短くなったようだ。


広い額、通った鼻筋、意志のこもった眼光、とがった顎。


シャープで精悍な印象を受ける。


ここまで一緒に歩いてきてわかったのだけど、かなり背が高い。


いつも「マーヤ」では座っているので身長まではよくわからなかった。


というか、私が意識して見ていなかっただけかもしれない。


こうして見ると、かなりモテる方なんじゃないかと思う。


そんな成哉が、なぜ、強引に私を誘ったのだろう。


もしかして、私に興味がある?