そして代わりにバッグから四角い包みを取り出した。


「これ、私からもクリスマスプレゼント。
たいしたものじゃないけど」


成哉はそれを笑顔で受け取ってくれた。


中身は財布。


まえにもらった誕生日プレゼントは花束とＤＶＤ。


たぶん両方で1万円くらいだろうと見当をつけた。


それくらいが、友人に贈って相手が負担に思わない金額だろうと思う。


だから、私もそのくらいの値段のものにした。


前回飲んだとき、成哉の財布がだいぶくたびれて見えたのも財布を選んだ理由。


それに財布なら、使わないで取っておいたとしてもさほど邪魔にならないだろうし。


包みを開けると、成哉は喜んでくれた。


「そろそろ買い換えなきゃと思いながら、つい後回しにしてたんだ。
助かるよ、サンキュ」


そう言って、さっそく今使っている財布から中身を入れ替えた。


そんな成哉の心遣いが嬉しかった。