「ゴメン、待たせちゃって。
今日はやけに寒いね」


白い息を吐きながら、私は待ち合わせ場所に立つ成哉に駆け寄った。


「冷えるからさ、イブっぽくないけどふぐちり、なんてどう?」


成哉の提案に笑顔で頷き、私達はふぐ料理専門店に入った。



テーブル席に差し向かいに座り、まずはふぐ刺しを堪能すると、成哉が封筒を取り出した。


「これ、クリスマスプレゼント」


「え?私に?」


驚いて受け取ると、成哉は笑って頷いた。


開けてみると、中に入っていたのは後藤陽司の出演する舞台のチケットだった。


「うわあ、新春公演!」


思わず歓声をあげた。