12月に入り、街にクリスマスのイルミネーションが輝き始めた頃、待っていた成哉からの連絡が入った。



「久しぶり」


声を聞くだけで口元がほころんだ。


「久しぶり、元気?」


「うん。ところで香菜さん、クリスマス・イブの夜って何か予定ある?」


「イブ?
ううん、特にないけど……」


いぶかしく思いながらそう答えると、「会おう」と言われた。


え?


イブに?


念のため確認した。


「でも、イブは由宇さんと過ごした方がいいんじゃ……」


すると、成哉は私の言葉をさえぎった。


「由宇ならいいんだ。
用事があるらしいから」


「……そう。
なら、いいけど」


私達はいつもどおり、新宿で会うことにした。