部屋まで送ってくれた成哉は、「また連絡する」と言って帰っていった。


私は「プレゼントありがとう」とだけ答えて、手を振った。



いい年をした私達のこんなシンプルな別れ際を、さっきの女の子が見たらどう思うだろう。


部屋に入りながら、そんなことを思った。


でも、それが私と成哉の関係。


これ以上でも、これ以下でもない、この距離感。


成哉は既婚者で、これ以上近づくことは許されない。




私はまた、千佳ちゃんの言葉を思い出していた――