食事を再開しながら、千佳ちゃんは聞いてきた。


「離婚が大変だっていうのはよくわかりました。
でも、香菜さん。
もし、もしも、成哉さんが離婚したら、そのときは、ちゃんと成哉さんと向き合う気はあるんですか?」


私は口に運ぼうとしていたパスタを空中で止めた。


「それは……」


脳裏をよぎったのは、6月のキス。


そして、8月の拒絶。


「向こうが私をどう思ってるかわからないし……」


そう言いかけると、千佳ちゃんは首を振った。


「そんなの!好きに決まってるじゃないですか。
成哉さん自身そう言ってたじゃないですか」


「それは過去の話でしょ?
今は……」


私が言いよどむと、千佳ちゃんは挑むような目つきになった。


「じゃあ、香菜さん。
もし私が、成哉さんとつきあうって言ったらどうします?」