「そうしたら、ある日突然向こうのお父様が訪ねてきたの。
驚いたわ。
彼は休日出勤でいなかったし、事前に何の連絡もなかったから」


「え、なにごとですか?」


「離婚の話を聞いた、嫁から離婚を言い出すとは何事だ、どんな教育されたんだ、親の顔が見たいわって、怒鳴り込んできたの」


「ひえ~~~」


「ほんと、ひえ~~~だったわよ。
でも私、親のことを言われたとたん、キレちゃって。
返せないほどの借金作るような息子を育てたあなたはどうなんですかって言い返したの。
私が苦労して貯めた200万を返せとも言ってやったわ。
そしたら、真っ赤な顔して、そんな礼儀知らずな嫁はこちらから離縁だ!って。
で、その少しあと、彼がやっと離婚届にサインしてくれたの」


「ふわぁ~、壮絶ですねえ」


千佳ちゃんはぐったりしながら言った。