それからしばらく飲み食いしたあとで、私達は店を出た。 会話はあまり弾まなかった。 駅の改札につくと、成哉が言った。 「今日は送っていけない、ごめん。 また、連絡する」 「うん。 じゃ、おやすみ」 「おやすみ」 私達は、各々自分の乗る電車のホームへと別れた。 電車に揺られながら、私は成哉に手をどかされた時のことを考えていた。 いつまでも、成哉に拒絶されたような喪失感がつきまとって仕方なかった――