成哉はチューハイを半分ほど一気に飲むと、トン、とグラスを置き、ふうっと息を吐いた。


そして箸を取り、お通しの小鉢を引き寄せた。


相変わらず上手に箸を持つなあ。


以前から思っていたことなのだけれど、成哉は箸の持ち方がきれいだ。


オクラの和え物を小鉢から口に運ぶのに見とれていると、成哉が私の視線に気づいた。


「ん?」


「あ、いや……」


照れ笑いを返すと、成哉も微笑んだ。


「なに?」


「ううん、なんでもない」


「そう?」


「うん……」


成哉は箸を置き、またグラスを口に運んだ。


私も自分のグラスを傾けた。