今回、営業の田倉君はどこの取引先にも依頼している価格引下げを小沢社長にもお願いしたに過ぎない。


ただ、その言い方が少々居丈高だったようだ。


少なくとも、小沢社長はそう感じた。


本来は、営業本人かその上司がきちんと事情説明して納得いただくのが筋だが、その話し合いがうまく行かなかったんだろう。


で、そうなると、小沢社長は会社の代表番号にクレーム電話をかけてくるのだ。


総務の仕事は営業の尻拭いじゃない。


本来なら、取引先の電話など、営業に回してしまいたいところだが、それをしても解決にはならないのがわかってるからやらない。


クレームは、相手が変わるだけで、すんなり解決することもあるのだ。


わかっているから対応はするが、私だって愚痴の聞き役はストレスがたまる。


田倉君には、今度何かおごってもらわなくっちゃ!


心に決めて、私は田倉君とその上司に今の電話の報告メールを打ち始めた。