「と、まあ、そんな関係よ」


「へえ、そうだったんですか。
ところで、話に出てきた新人君って?」


私は食後のコーヒーを飲みながら苦笑いして答えた。


「ああ、彼ね。
千佳ちゃんが入社してくる前にいた人。
結局、自ら辞表出して1年半で辞めてったわ。
その後、私、部長に頼み込んだのよ。
お願いだから、今度は普通に使える新人をよこしてくれって。
で、その翌年配属されてきたのが千佳ちゃんだったってわけ」


私がそう言うと、千佳ちゃんはくわえていたストローを離して首をかしげた。


「私、普通に使えました?」


「もちろんよ!
まあ、勤続25年の部長でさえあれほどひどいのは初めてだって言ってたくらいだから、彼に比べればどんな人でもよく見えるかもしれないけどね」


「あー、今さりげなく私のことけなしたでしょ?」


身を乗り出してきた千佳ちゃんの肩を私は笑いながら押さえた。


「うそうそ、冗談!
千佳ちゃんはよくやってくれてるって」


「もう~!」