「これが、私の旦那様。
こちらは香菜ちゃんと、そのお友達の千佳さん」


私と千佳ちゃんは慌てて頭を下げた。


「このたびはおめでとうございます」


「ああ、香菜さんの話は以前よく聞いていました。
なかなか大変な職場にお勤めのようでしたけど、最近はいかがですか?」


えー、摩耶さん、もしかして私の愚痴をご主人に話してたの!?


私は恐縮しながら、快活で実直そうなご主人に照れ笑いを返した。


「あ、お聞き及びでしたか。
摩耶さんにはずいぶんと励ましていただきました。
おかげさまで、今はもう、落ち着いて働ける環境になりました」


「そうですか、それは良かった」


ハッハッと豪快に笑うご主人と、横で微笑む摩耶さんはお似合いのカップルだった。