なんで、私こんなこと言ってるんだろう。


すっかり千佳ちゃんのペースに乗せられてしまった。


摩耶さんは、かつての私と成哉に最も近い人。


私達を引き合わせた張本人とも言える。


その摩耶さんに、千佳ちゃんの口から成哉の名前が伝わっただけでも、なにやら勘ぐられそうなのに。


摩耶さんが知らないという成哉の連絡先を私が知っていると聞いてどう思っただろう。


私は、そわそわと落ち着かなかった。


しかし、そんな私の胸中を知ってか知らでか、摩耶さんはニッコリ微笑んだ。


「じゃあ香菜ちゃん、これ、代わりに成哉君に送っておいてくれる?」


摩耶さんが差し出したもう一通の招待状を見て、私は唖然とした。