大人の女と男の関係

「そう、それ。
来月で店を閉めるって、どうして?」


私は摩耶さんが出してくれたお絞りで手を拭きながら聞いた。


「まあまあ、その前に、先に注文をどうぞ。
初めてのお客様の前で、飲み物も出さずにお喋りってわけにはいかないわ」


はやる私を笑顔で押しとどめ、摩耶さんは千佳ちゃんの前にそっとメニューを差し出した。


千佳ちゃんは恐縮しながらカクテルを選んだ。


初対面の摩耶さんを前に少し緊張しているみたい。


私もカクテルを選び、つまみも何品か見繕って注文を済ませた。


摩耶さんはいったん奥に消え、お通しを運んできた。


それを私と千佳ちゃんの前に並べ、カクテルを作り始めたのを見計らって、私はまた問いかけた。