店に入ってきたとき、一人、カウンターに何かを広げて読んでいる若い男がいることには気がついていた。
近くの大学の学生かな?
チェーンの居酒屋に飽きた大学生がこの店にもたまに来る。
私は小鉢に盛られたちくわとツナのマヨ和えを箸でつつきながら答えた。
「そうよ、社会人は大変なの」
すると、顔を上げた彼は頬を掻いて私の方を向いた。
「俺も一応、社会人ですよ」
「え、そうなの?
ごめんなさい」
箸を置いて、改めて彼を見た。
短めの黒髪はワックスで無造作に散らしてある。
白いボタンダウンシャツはノーネクタイ。
下はチノパンのようだ。
平日の夜にこんなラフな格好ってことは、自由業?
私の視線に気づいたのか、彼はクスクス笑いながら付け加えた。
「といっても、フリーターですけどね」
フリーター……
近くの大学の学生かな?
チェーンの居酒屋に飽きた大学生がこの店にもたまに来る。
私は小鉢に盛られたちくわとツナのマヨ和えを箸でつつきながら答えた。
「そうよ、社会人は大変なの」
すると、顔を上げた彼は頬を掻いて私の方を向いた。
「俺も一応、社会人ですよ」
「え、そうなの?
ごめんなさい」
箸を置いて、改めて彼を見た。
短めの黒髪はワックスで無造作に散らしてある。
白いボタンダウンシャツはノーネクタイ。
下はチノパンのようだ。
平日の夜にこんなラフな格好ってことは、自由業?
私の視線に気づいたのか、彼はクスクス笑いながら付け加えた。
「といっても、フリーターですけどね」
フリーター……


