早川とは2年のクラス替えで同じクラスなったのだ。


彼女の名前を知らなかったから掲示板を見ただけでは同じクラスだとはわからなかったが、教室に入るとすぐ、少し伸びた茶色っぽい色のボブとクリリとした大きな目が視界に入ったのだ。


あまりの急さに、柄にもなくビックリしてしまった。

でも、なんだか胸が温かく、どこかホッとするような不思議な感覚であった。




「あれ? 隼人何ぼーっとしてんだ。なんだなんだ、可愛い子でもいんのか?」

「え、マジで!?
隼人どの子だよー!」

隣にいた塩田とタケが顔をニヤつかせながら言った。

塩田とタケとは、中学の頃からずっと一緒にいる友達。

タケは、ボーズでよく中坊と間違われるほどの童顔だ。

一見、というか、見た目通りのアホだが、人懐っこくて、ムードメーカーな誰からでも愛されるやつだ。


一方、塩田は整った顔立ちと女には軽いがフェミニストなためモテる。

ワックスでセットされた茶髪に制服のルーズな着方で、見た目からもチャラチャラして見えるが、勘が鋭く、時々俺やタケでさえ塩田の考えていることが分からないこともある。

基本、塩田は俺様なやつだが、仲間思いでいいやつだ。