『冷蔵庫…なんか飲み物ない?』
『あ,ちょっと待ってね。』
ジュンにそう言われると,あたしはハッと我にかえった。
声かけられなかったらどうなってたんだろ…
あたしは冷蔵庫から冷えた缶ジュースを持ってジュンの所へ戻った。
『ありがとう。』
ジュンの声は熱のせいなのか,かすれてほとんど息だけだった。
あたしはいつの間にか,目の前でゴクゴクと喉を鳴らしながらジュースを飲む人に目が釘付けになっていた。
『だいぶ楽になったかも…』
『それはよかった。』
あたしはぼんやりと独り言のように呟いた。
『ちな…だっけ?相変わらず化粧濃いな…』
───────カチーン。