『なにぼーっとしてんの?早く早く』
ふと気がつくと傍らにジュンが立って一緒に鏡をのぞいていた。
『う…うん。』
ここまでくるともう観念するしかなさそうだ。
あたしは右手のクレンジングオイルを手にとり,メイクを落とし始めた。
ジュンはそれを確認すると今度はあたしの背後でなにやらごそごそやりだした。
あたしはメイクがはずれていく顔をみながらいろんなことを考えていた。
もちろんそれはあたしの後ろにいるジュンのことばかり。
『ねぇ…お風呂も入るの?』
何聞いてんだあたし。
『え!?もしかして入りたいの?』
ほらジュンもびっくりしてるじゃん。
『ならよかった。今準備してたんだ。』
準備してたんだ。
…ん??
『準備って…!?』
タオルで顔を拭きながらジュンのほうへ振り返ると,目の前で緑色の火がゆらゆらとゆれていた。
『わわわっ!』
あたしはびっくりしてあとずさったが,後ろの洗面台に反り返る状態になってしまった。