『どうした?』


あたしがうつむいていると,そうさせた張本人が何食わぬ顔で聞いてきた。



『かわいくなりたいっ…』


『え…?』


『女の子がメイクしてかわいくなりたいって思っちゃだめなの…っ?』



やばっ…
涙でそうかも。



あたしはベッドから起きあがろうとするジュンに背を向けて,涙を押さえ込むために上を向いた。