たしかに前野君はカッコいい。 茶髪の短髪に裸眼でブラウンの瞳。 ジャニーズ系の前野君は、性格も明るくて優しいし。 普通にモテてる。 でもやっぱり先輩に推薦されると、意地でも好きになりたくなくなる。 『……先輩には関係ないし。どーでもいいでしょ?』 あたしは前を向いて伏せた。 「ヒュー」 先輩はため息がてら口笛を吹いて、これ以上は話しかけてこなかった。 そしてあたしは、朝のHRも始まっていないのに意識が遠のいて行った。 そう。 〝夢〟という非現実な世界へと…。