「だけど,親の離婚でさ…父親に付く方は転校しなくちゃいけなくなって…。初めは俺が転校するんだったんだけど…昨日,急に還菜が父親と住むって言い出して…。」 先輩はそこまで言うと,私の頬にキスをした。 「俺が行くのが一番なんだけど…正直,蜜華ちゃんと離れたくないんだ。」 先輩が抱きしめている腕に力を入れて,私の事を見る。 「…俺の物になりなよ。」 嬉しい。すごく嬉しい。 だけど,先輩を選んだら還菜ちゃんが手の届かない所に行っちゃいそうで答えられなかった。