私は抵抗をやめて先輩の顔を見上げた。


(…先輩…泣いてる?)



先輩の瞳にはうっすらと涙が溜まっている。


「蜜華ちゃんってさ。いつもはちみつの甘い匂いがして美味しそうだよね。」


あぁ…
こんなにドキドキしたのはいつ以来だろう。


ドキドキしすぎて先輩の顔を見れない。


顔を伏せていると,先輩は無理やり私に上を向かせた。


月明かりに,先輩の茶髪が良く映える。