『だ、誰!?』
いきなり聞こえた声に驚きながらなんとか声を出せた。
すると
『春樹』
またさっきの正体不明の声が聞こえてきた。
それを聞いた執事さんは、
『畏まりました』
と春樹と呼ばれた左側の執事さんが返事をすると、何やらスイッチがいっぱいあるリモコンを出してきた。
何だろうと思って見ていると、私の視線に気づいたらしい春樹?さんが
『大丈夫ですよ』
と言って私の頭を撫でてくれた。
…貴方のおかげで心臓が大丈夫じゃありません
こんなにカッコイイ人が両隣にいるだけでもドキドキなのに頭撫でられたら心臓保たないよ!
そんなことを思っているということを知ってか知らずかクスッと笑いかけて手を離し、どれかのスイッチを押した。
…絶対知っててワザとやってるな。
さすがにこれだけ美形なら自覚くらいあるだろう。
だとしたらこの人Sだろうな…
この人だけは怒らせないようにしよう…
密かに心に誓う彩華だった。

