私の執事サマ


私はその手紙を読み終わると元通りにキレイに折ってポケットにしまった。


『彩華様…いきなりのことで混乱していらっしゃるとは思いますが事実なのです。』


正直私はまだ混乱していた。


まぁいきなりこんな手紙を渡されて納得が出来るはずがないと思うけど。


それよりも一言先に言っておいて欲しかった。


それでも孤児院でずっと独りきりだった私はあの場所への心残りなんてものはない。


だからこれだけははっきりしている。


『正直混乱はしていますが、これが私の運命なのなら私はそれに従います。』


『『彩華様…』』


『よく決心してくれたね。』


『!!!?』


執事さん達が私の名前を呼ぶと初めて聞く声が聞こえた。