下を向いてごにょごにょと言いながら落ち込んでいる和樹さんを見ていると、可愛くて仕方ない!!
だってさっきまで完璧な執事さんだったのに、今では小さくなっちゃってるんだよ!?
カッコイイ人をカワイイって言うのはおかしいかもしれないけど、しょんぼりしててカワイイんだもん!!!
『全然大丈夫ですよ!っていうより私の前ではずっと素でいてください。その方が緊張しないし!あと、出来れば敬語も彩華様っていう呼び方も止めていただければ…』
そこまで言うと急に視界が暗くなった。
いや、正確に言うと和樹さんに抱きしめられていた。
『!!!???』
驚き過ぎて声にならない声が出てしまった。
上を見てみると和樹さんの整った顔が間近にあった。
絶対心臓の音聞こえてるって!!!
『ありがとう!!!実は俺執事だけど敬語が苦手でしょうがなかったんだよ!じゃあ改めてよろしくな!彩華!』
やっと解放してもらった私は声を絞り出して
『ょ、よろしくお願いします…』
とパニックから抜け出せないまま言った。

