「ただいま〜。」
「お帰り。」
「ただいま。」
「理名上行こう?」
「うん。」
僕は知っていた。雅紀お兄ちゃんって誰かがいる時は必ず、読んでいる。
けど、二人っきりの時は雅紀って呼び捨てにしていることを。
「雅紀、ちょっと?」
「理名?先、行ってて。」
「うん。」
「いっつも何してる?」
「別に勉強だけど。」
「ふーん。」
「何?疑ってんの?」
「別に。」
「はっきりしろよ。」