「………………」
窓から暖かい陽が
差し込むリビング
お父さんは腕を組み仏頂面
そんなお父さんと
テーブルを挟み向き合う
先生と私
とりあえずな
自己紹介を終えた時
お母さんが紅茶をトレイに乗せキッチンから出て来て
「どぉも~、藤代さん
あれよね~、前に引っ越しの時、一度お会いしましたよね~」
重苦しい空気に
お母さんの陽気な声が響く
「あの」
先生が口を開くと
お父さんはビクゥッと
肩を揺らした
…………お父さん
そんなに構えないでよ………
「お忙しいところ
お時間作っていただき
ありがとうございます」
ドキドキドキドキ
ドキドキドキドキ
ひざの上、握りしめた
手のひらが汗でじっとりする
言うのね?
先生、もう言っちゃうのね?
私は隣の先生と
向かいのお父さんを
交互に見比べた。
お父さんの隣で
お母さんが穏やかに微笑んでる
一瞬の間が とても長く
心臓が口から出そうだよ
私が こんななのに
先生は ちゃんと真っ直ぐ
お父さんを見つめ
キリッとした その目に
ますますドキドキ落ち着かない



