うつむいて
肩を震わせる私の頭を
大きな手のひらが撫でた
「ごめん。ごめんな
まだ16なのに辛い思いさせる
優しくしてやれない……
本当にごめん…………」
力強く私の頭を撫でる
その手のひらは少し震えてる
先生も泣いてる?
だけど涙が止まらなくて
前なんか見えない
先生の涙を
確かめる術はなかった
涙が止まるまで
ずっと ずっと
先生は私の頭を撫でていた
泣き止んで冷めたカレーを
ふたりで食べて
お皿をさげると先生は
ショートケーキを出してくれた
もちろんケーキの上に
イチゴは1つだからいい
先生は自分のケーキから
イチゴをつまみ
私のケーキに乗せた
私も自分のイチゴを
先生のケーキに乗せた
先生のイチゴは私の物
私のイチゴは先生の物
イチゴはやっぱり
すごく甘くて少し酸っぱい
イチゴを飲み込むと
「絆」
先生は優しく笑い
「オレは絆が
何よりも大切だから」
その言葉は
先生の精一杯を越えていた
私はまた込み上げる涙を堪えて
笑ってうなずいた
大切だから
先生から私への愛の言葉
待っててね。
私、大人になるから



