はぁって深いため息が
隣から聴こえる
視界の端に映った
お店の周りには
青いネコ型ロボットの
可愛いのぼりが揺れている
「……別に下らない事だよ?」
「だったら教えてくれても
いいじゃない」
じと~っとにらむと
先生は困った顔して
鼻の頭をかいた。
「………ちょっと
恥ずかしいんだけど」
恥ずかしい事を
先生が考えるんだ
もっと知りたくなる
「オレさ、理系の男子クラスの担任なんだよね」
先生が勤める英徳高校は
共学だけど男女でクラスが
分かれてる。
「部活も科学だから
男子ばかりなんだよ」
そこで先生は言いにくそうに
口元を手で覆って
「きぃが車に入って来たとたん
甘い香りがしたから
『あ 女の子の匂いだな』って」
ドキンって心臓が跳ねた
先生が照れ隠しか
怒ったような表情で
そっぽを向いて
「な?知らなくていい事だろ?」
私はブンブン首を横に振り
「良かった。
知って良かった。
聞いて良かった。」
恥ずかしいのに
照れるのに
自然と顔は ふにゃっとにやけた
先生は窓にひじを置き
頬杖ついて私を横目でにらみ
ピンッと軽くデコピンをした。



