ケータイ越しの紗智に
見えるわけないのに
私はブンブン手を横に振り
「いや、本当に、全然っ
大丈夫だよ!」
疑うような声で紗智は
「ほんとにぃ~?」
「ほんと、ほんと………
だってさ」
自然に口から出た
「だってさ、
もう会えないって思ってた。
だけど、先生とまだ会えてる
それだけで……幸せだもん」
自分で言ったことに
そうだよな~なんて
他人事のように納得する
他の誰かと幸せに
なんて祈ってたクセに
やっぱり私が欲張り過ぎるんだ
「…大丈夫なら、いいんだけど
あのオジサン頭固いから
絆、苦労してないか心配で」
「先生をオジサンって
言わないで」
「はいはい。
絆の大切なダーリンだもんね。
ごめんね、ごめんねぇ~」
「もうっ!からかわないでよっ」
あははって紗智の笑い声が響く
なんか悔しい
私も反撃をしたい
「紗智は?」
「ん?」
「内田くんだよぅ
うまくいってんの?」
「…………う、あ……」
おや、紗智さんの返事が詰まった
「内田くんと何かあった?」
「………う~ん、実は」



