どうしちゃったのかなぁ……



少し前までは本当に


先生の幸せだけを
純粋に願ってた



少し前までは



こんな風に好きじゃなかった











7月の末に 夏祭りがある


花火も打ち上がるし


浴衣着て、先生と行きたいなぁ
なんて考えた




夜、眠る前にベッドに正座して


藤代先生に電話する



「夏祭り?」


ケータイを通じての先生の声
すごく大好きだなぁ


「はい。
末にあるの知ってますか?
花火もやるし、先生と見たいな」



ドキドキして誘ってみる


だけど




「ごめんなぁ。無理なんだ」




―――――――え?



「な、なんで?」


「教師が見回りするんだよ
補導員として
オレも他の先生と一緒に
見回るからさ、ごめんな」



そんなぁ………
お祭りまで、お仕事なんだ



がっかりした気配が
電話越し伝わったんだろう
先生は いつも以上に
優しい声を出して



「ごめんな、きぃ
でも、ほら
お友達と行っておいでよ
オレなんかと行くより
いい思い出になるぞ」



…………なにそれ



先生、なにそれ



オレなんかと行くよりって



先生、私のキモチ知ってるのに