【短】君がいたころ

お通夜もお葬式も終わって、俺はずっと家に引きこもっていた…。


俺は、未だに美沙がいなくなってしまったということを信じることが出来ずにいた…。



美沙はまだどこかにいるんじゃないか…。

どこかで生きているんじゃないか…。



お通夜のときも、お葬式のときも。そう思っているだけで時間はどんどん過ぎていった




ある日、俺の親友が家にやってきた。






「愁…。」


「なんだ、浩二か…。何か用か?」


「お前、いつまでそうしてるつもりだよ…?」



浩二は俺の前に来てそういった。



「どういう意味だ…?」



浩二の言っている意味がわからなかったわけじゃない…。








本当はわかってる。





だけど、俺は反射的にそういってしまった。






「お前、わかんねぇのか…?いつまでそうして部屋に閉じこもってウジウジしてるつもりだよ?!」






うるせえなぁ…。






「わかってんだろ?!美沙は死んだんだ!!死んだんだよ!!」






んなこと、わかってんだよ…。






「いつまでもお前がそうしてたって仕方ないだろ?!あれは事故だったんだから!!」





「そんなことわかってるんだよ!!でも、しょうがないだろ?!俺の体がそれを受け入れてくれないんだよ!!認めたくないんだ!!!」