「ズズッ」

そんな中微かに
鼻を啜る音が聞こえてきた。

僕は何かに付き動かされるように、神社の端っこに行っていた。

あの日の僕と同じように
女の子がうずくまっていた。


傘を差しだす。

しばらくして気が付いたその女の子に僕は言った。


「傘、貸しましょうか?」